2013年5月16日木曜日

カオサンロードの出会い

二年前――私が初めてタイのバンコクへ訪問したときのこと。

バンコクへ到着したとき、バスの中から取った1枚。
タイのモーチットにある北バスターミナルへ、14時間のミニバスを経て到着した。
しんどい移動だったが、今となってはいい思い出に思える。

そこから安宿の聖地、カオサンへ初めて訪れた。




ネパール人の日本在住者に出会った。何をするでもなく、カオサン通りを歩いていたら、「日本人?」と声をかけられたのだ。ノリノリで、他にも路上の日本人を捕まえ、一緒に飲みに行く展開になった。

彼はケビンさんと名乗る。
僕らはケビンさんの知っているお店にお酒を飲みに行くことになった。




ウイスキーとタバコ。旅行者らしく、屋台の飲み屋で語る。

ケビンさんは遊び人風の人なのだが、コアなところでなんだか信念を持っている人だった。

お金に余裕があるらしく、カオサンには似つかないような一泊600Bの中級宿舎に泊まり、10万ぐらいするらしいヴィンテージのリーバイスのデニムをはいていた。

印象的だったのだが、彼が着ているTシャツ――それは自分の弟みたいにしていた人の形見だと言っていた。自分のバーで働いていて、可愛がっていた兄弟のような弟分だったと。

しかし、ある日、彼は30歳の若さで、自ら命を絶ってしまったのだ――と、今までのチャラチャラしたような表情とは打って変わって、悲しそうな表情をした。なんだか日本人以上に、日本の仁のようなものを持っている人だなと思った。

さらに、タイでよくある買春に関しても否定的なことを語っていた。

「お酒を飲んで踊って盛り上がって、それだけでイイヨ。女買ったり、そんなの全然、嬉しくないよ。飲んで話すのが楽しい。そんな会ったばかりの人で全然知らない人を買っても、全然ダメだよ」

なんだかよくわからない方向に話が進むが、
飲んだ後、彼と一緒にクラブに行く約束をした。

僕は荷物があったので、部屋に戻って荷物を置いて、the Clubというカオサンで有名なクラブに行った。しかし、そこに彼の姿はなかった。彼の宿泊している部屋にも行ったが、鍵がかかっていて人気がない。

そして、なんだかもう二度と会うことはないんだろうなと思った。
旅は、一期一会。
嵐のような人物との出会いは一瞬で去るものか。

その後、ケビンさんを探すがてらクラブに行ったが、やはりおらず。クラブも早々あがり、カオサン入り口の後ろ側で、路上のミュージシャンを眺めた。



アメリカ人好みな曲をかき鳴らす。ベタなんだが、寝る前に通る彼らの音楽が毎日耳に入ってきた。

次の日もまた、日本人旅行者と知り合った。
カオサンでは日本人が宿のラウンジで集まる。
特に卒業旅行シーズンだったり、出会いが尽きない。
ときにDeepな出会いを楽しむために、安宿へ泊まってみたくなる。

しかし、初タイ訪問のこのときから2年以上経った今、
そんな旅行の出会いの思い出があっても、
もはやカオサンに泊まる気はなくなっている。

今でもよくタイには行くが、半分は出張のようになってきたので、そのような青くて若い出会いを味わいたいという気分にはならなくなっている、とでも言おうか、あとタイ旅行者の質も下がっているから、沈没系な人とあんまり絡みたい気にはなれなくなってしまった。

良くも悪くも、タイは、バンコクは都会化している。
カオサンよりも、スクンビットやシーロムのエリアの方が交通の便がいいし、遊びも楽しめる。現地の人と会うにも圧倒的に便利で、都会だ。

安宿、バックパッカー旅行をする醍醐味である「出会い」を、カオサンに求めることはもう今度のタイ旅行の中ではないのかもしれない。

でも、過去の思い出を振り返ってみるのはなんだか懐かしい。
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