先日、こんな記事を目にした。
起業希望者、バブル期の半分…12年84万人
このことに関して無数のブロガーや有名人がコメントしているのが目に付く。
やれ不況のせいだ、日本の挑戦を歓迎しない環境がいけない――まあ理由を問いだすと無数にあると思います。
しかし個人的には起業が減るのは人口が減ってゆく成熟社会の日本の宿命だから、別にこれはこれで何にも問題ないと思う。
若者が草食化?さとり世代?無気力?挑戦心がない?――今の世代の特性も問われているが、ある意味で今の若い世代はそうした成熟社会の中で必然的な適応力を身につけているだけだと思う。
補助金とか制度を変えたところで、庶民の起業意思がどうにか変わるとも思えない。
なのでこの記事はごく自然の流れで普通のことだと思うのだが、やたらとネガティブに書かれていて、それをネガティブに拡散する人も多い。
なぜだろう?――わたしはふと疑問に思った。
考えた結論、ずばり、「起業しない人が減ると儲からなくなるor損をする」人が出てくるからではないか。
起業する人々が増えるメリット――未開拓の市場が開拓されてパイが増える、新規事業を増やして社会全体がモチベーション上がる、雇用が増える、起業のためにカネが市場に回る・・・etc
色んなメリットが想像できるが、そもそも起業のネタなんて有限だし、耕せる市場も人口が減る社会で増えようがない。そんな中で「起業」してくれる勇士が増えると、ぶっちゃけ社会にカネが回る。
そう、「起業」には少なからずカネがかかる。
株式会社を作るにも、10万ぐらいはかかる。資本金は1円でよくても、行政書士に頼んだりするとそれなりに・・・店舗型の店なら家賃も、人を雇えば人件費も、何から何まで、成功が保証されなくてもカネがかかる。
しかし、統計的にも起業した人間の8割が成功しない。
むしろ投入した資金を取り返せず、あるちは借金を抱えてその後を過ごす人の方が多い。
起業と言っても様々だが、リスクとリターンで考えるとリスクの方が多いことは明らかだろう。
そんな形で起業という夢にカネと人生を投じても、全然儲からなかった・・・さらには借金や負債というババをつかまされて終わる人の方が多い。統計的も、わたしの狭い人生経験からもそう思います。
しかし市場にカネを投じてくれて、あげくババを掴んでくれた起業家というのは、市場にとっては極めていいお客さんでもあるなと。
要するに、手数料で儲ける証券会社にとって儲かる責任は取らないが、個人が株やFXをやってくれた方がいいのと似ている。
つまり、若者を起業させることは一つのビジネスなのだろう。
起業しても儲からないとなれば、今度は起業成功者がセミナーや出版とかで儲けるなど、自己啓発っぽいビジネスに移行する人も多いだろうし・・・。
とりあえず「起業」という夢を見せてババをつかます類の斡旋ビジネスは、個人の自由だけど、このご時勢、あんまりいい商売とは言えない気がする。
そんなわけで、そもそも「起業」にさして興味もなく、リスクを取りたくない臆病者のわたしは大多数と同じで起業を志すことはないだろう。
だが個人起業とかマイクロ自営業とか、そういう週末起業ならぬ週末副業的な、ごく規模の小さな「起業?」ぐらいなら、庶民レベルに毛が生えたレベルの人でも手が出して「吉」なネタはあるとは思う。
あれっすかね、起業成功した人は有能だし、成功した高揚や快感を他の人とも共有したいと思って親切に「起業が楽しい&美味しい」というのかもしれないが・・・起業家が減るのは時代の必然だなとも。
以上、つぶやくぐらいのノリで書いたら少し長くなりすぎた…。
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